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ジンが特別なダイアルを備えた日本限定モデル「EZM3.F.V」を発表

ジンが100本のみ製作する日本限定モデル「EZM3.F.V」を発表した。レギュラーモデルの「EZM3.F」をベースに、手作業によるスクラッチ加工を施した特別なダイアルを備えている。

異なる表情を持つ100本



ジン 「EZM3.F.V」
自動巻き(Cal.ETA2824-2)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径41mm、厚さ11.7mm)。20気圧防水。日本限定100本。33万円(税別)。2021年1月発売予定。
 ジンはこれまでに複数の日本限定モデルを発表しているが、今作はパイロットウォッチシリーズのレギュラーモデル「EZM3.F」をベースにした100本限定仕様だ。



特筆すべきは、手作業で仕上げられたヴィンテージ調のダイアル。ベースカラーを着色後、1点ずつ人の手でスクラッチ加工を施しているため、100本の時計は全て異なる表情を持っている。インデックスは夜光を備え、スクラッチ加工後にプリントされているため、視認性を損なう心配はない。



機能性についてはベースモデルである「EZM3.F」と同様に、ジンの高い技術が詰め込まれている。カウントダウン式の両方向回転ベゼルや、9時位置に配置されたリュウズなどが特徴のパイロットウォッチで、同社が誇る実用性に富んだジン・テクノロジーと呼ばれる機能が満載だ。

 まずはマグネチック・フィールド・プロテクション。DIN規格(ドイツ工業規格)で定められた耐磁時計の数値である4800A/mをはるかに上回る、8万A/mまでの磁気に耐えることが可能だ。磁力線を遮断する軟磁性素材を採用した外装パーツでムーブメントを囲むことで、この非常に高い耐磁性能を実現した。その性能を示すマークと1000mT(ミリテスラ)(=8万A/m)の刻印が裏蓋に印されている。

 次にArドライテクノロジー。これは時計内部の空気などに含まれる水分を除去することで、ムーブメントへの悪影響や気温低下時の風防の曇りを防ぐ技術だ。特殊乾燥剤が充填されたドライカプセルを採用するほか、ケース内に希ガスを充填させるという高い技術が採用されている。裏蓋とダイアル6時位置のArマークはガス封入の印だ。

 最後に特殊な潤滑オイルの採用だ。通常の機械式ムーブメントに使用されている潤滑オイルは、−25℃で粘性が高くなってしまい精度を維持できなくなる。しかし、ジンが開発したオイル「66-228」は-66℃まで適度な粘性を維持することができ、+228℃まで蒸発しないのである。急激な温度変化にも耐えることが可能で、−45℃から+80℃の範囲でDIN(ドイツ工業規格)が定める精度維持を可能にした。実際の製品でもこの温度範囲での検品を行なっているため、ジンの信頼性の高さがうかがえる。

 手作業の味も残しながらも高い実用性を誇る今作。2021年発売予定の希少モデルであるため、購入を希望される方は早めの検討をお勧めしたい。


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