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時計の未来はココにあり!? 最新技術を注いだ凄腕4本

機械式時計というと、ゼンマイと歯車からなる古色蒼然とした技術に思われがちだが、かつては数学、物理、天文学などと並ぶ最先端の英知だった。そして今、最新鋭の化学とツナガルことで新たな可能性の扉を開く。化学の力でどんどん凄くなる腕時計を紹介した前編に続く四傑とは?

HUBLOT ウブロ
ビッグ・バン ウニコ レッドマジック
技術開発への情熱が生んだ革新のレッドセラミックス
世界限定500本。セラミックスケース、45mm径、自動巻き。278万円/ウブロ 03-5635-7055
ハイテクセラミックスの技術はまだまだ発展途上であり、多くの壁もある。そのひとつが鮮やかなレッドカラーのセラミックスだった。これを実現したのが、ウブロの本作「レッドマジック」。

ハイテクセラミックスでもこれまで多くのカラーが実用化されてきたが、レッドは高温焼結により、顔料が黒くなってしまう。そこでウブロの研究開発部門と素材の研究部門は、セラミックスの加圧と加熱焼結の緻密なバランスに着目し、ついに実現に成功した。

鮮やかなレッドカラーに加え、新開発のセラミックスは高密度となり、硬さは従来の1200ビッカースから1500ビッカースへと向上。素材の技術開発を続けてきた先駆者ならではの革新のカラーといえよう。

RICHARD MILLE リシャール・ミル
RM 67-02 オートマティック アレクシ・パンテュロー
スタイリッシュなホワイトベゼルに積層する革新性


クオーツTPT×カーボンTPTケース、縦47.52×横38.7mm、自動巻き。1490万円/リシャールミルジャパン 03-5511-1555
リシャール・ミルの魅力は、贅を尽くしたような時計にではなく、むしろ目に見えないような素材技術にこそ革新性を注ぎ、唯一無二の時計作りを実践している点にある。ベゼルとケースバックには、ノース・シン・プライ・テクノロジー社との共作により開発された素材「クオーツTPT」を採用。

これは、45ミクロン未満のシリカ繊維の層を多層化し、45度ずらしながら重ねたあと、120℃に加熱して6バールの圧力を掛け、部品の形状に加工するという複雑なプロセスを経る。温度変化に強く、剛性にも優れ、ホワイトに浮き出た多層模様はその圧倒的な実力を象徴する。

VAN CLEEF & ARPELS ヴァン クリーフ&アーペル
ミッドナイト ゾディアック リュミヌー
人力が生み出す、煌めく星座に温もりが伝わる



K18WGケース、42mm径、自動巻き。1300万円/ヴァン クリーフ&アーペル 0120-10-1906
ポエトリー・オブ・タイム(詩情が紡ぎ出す時)をテーマに、独自の世界観を表現するヴァン クリーフ&アーペルは、ユニークな技術にそのクリエイティブの可能性を見いだした。

セラミックス素子を内蔵し、8時位置のプッシュボタンの操作によってこれを振動させ、LEDを約3秒間点灯。これが文字盤に配した半透明のエナメルビーズを背後から照らし、星座を浮かび上がらせる。

これは18世紀以降、研究が続けられている圧電気の現象を利用したモジュールで、メゾンでは2016年に初めて実用化。伝統的な機械式時計にこだわり、バッテリーに頼ることなく、電気を生成する。輝きにもどこか温もりを感じさせるのは、その美学があるからかもしれない。

HYT
H2.0 ブラック DLCブルー
液体によって時を指すユニーク表示を機械式で実現


SS(ブラックDLC加工)ケース、51mm径、手巻き。1366万円/オールージュ 03-6452-8802
時計の技術革新は、時刻表示方式にも向けられる。これは、文字盤外周に極細のチューブを備え、その内部を満たす青と透明の2種類の液体の境目が時針代わりに時を指し、中心の針が分を表示する。内蔵する技術は、機械式手巻きムーブメントの機構原理をベースに、歯車の回転運動をピストンの直線運動に転換し、文字盤下部にV字に設けた2つのふいごを動作させる。

これによって、それぞれの色の液体を貯めた2つのタンク内に加圧と減圧をもたらし、チューブ内で色分けされた液体のバランスを変え時刻表示を行う。18時まで進むと、液体はレトログラード式に初期位置に戻る仕組みだ。

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モーリス・ラクロア【2021 新作】電気自動車のF1 チームとコラボした「アイコン クロノグラフ マヒンドラ・レーシング」

モーリス・ラクロアは、レーシングスポーツの魅力に溢れた「アイコン クロノグラフ マヒンドラ・レーシング」を9 月に発売する。FIA フォーミュラE 選手権創設チームのひとつである“マヒンドラ・レーシング”は、出場した6 シーズン中、優勝回数4 回、表彰台に立った回数18 回という驚異的な記録を出しているインドのスーパーチームだ。


マヒンドラ・レーシングの公式タイムキーパーに選ばれたモーリス・ラクロア

マヒンドラ・レーシングは、インドの自動車メーカー「マヒンドラ」がフォーミュラE参戦に向けて立ち上げたレーシングチーム。マヒンドラは電気自動車のパイオニアでもあり、豊富なEV 技術を生かしてフォーミュラE でもトップコンテンダーとして活躍している。

アイコン クロノグラフ マヒンドラ・レーシング



アイコン オートマティック クロノグラフ スペシャルエディション マヒンドラ・レーシング
自動巻き(Cal.ML112)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS(直径45mm、厚さ15mm)。200m防水。36万3000円(税込み)。
 44 mmサイズのステンレススティール製ケースを採用した「アイコン オートマティック クロノグラフ スペシャルエディション マヒンドラ・レーシング」は、スクエアパターンが施されたホワイトのサンレイ加工文字盤にコントラストを成すグレーのカウンター、そしてポリッシュ仕上げのリング、スネイル仕上げのカウンターを備える。6 時位置の12 時間積算計、12 時位置の30 分積算計はブルー、9 時位置のスモールセコンドはレッド。ペルラージュ装飾がところどころに施された自動巻きムーブメント、縦方向のコート・ド・ジュネーブ装飾を施したブリッジとローターを装備した、高級時計製造の技術も湛えるウォッチだ。スーパーコピー時計ケースバックからは自動巻きML112ムーブメントを眺めることが可能。レッドのステッチがコントラストを成すブルーのパーフォレイテッドカーフスキンストラップが合わせられている。



アイコン クロノグラフ クォーツ スペシャルエディション マヒンドラ・レーシング
クォーツ。Ti(直径42mm、厚さ12mm)。100m防水。16万5000円(税込み)。
 「アイコン クロノグラフ クォーツ スペシャルエディション マヒンドラ・レーシング」の文字盤には、「アイコン」のクォーツモデルとして初めてモーリス・ラクロアのハイエンドなスクエアパターンが施された。3 つのカウンターを備えたサンレイ加工の文字盤が収められているのは、44 mmサイズのチタン製ケース。6 時位置にスモールセコンド、12 時位置に1/10 クロノグラフ秒針が配置され、どちらのカウンターもブルーに彩られた。一方、9 時位置の30 分積算計はレッド。文字盤全体はグレーのミニッツトラックで縁取られ、視認性を高めている。ブルー、レッド、グレーのトーンは、“マヒンドラ・レーシング”のフォーミュラE の車体の色をイメージしている。スーパーコピーレースをテーマにしたカラーコーディネートのストラップが合わせられ、ケースバックにはレーシングチームを表すエングレービングが施されたデザイン。常にピットレーンでレースを観戦したい人に最適なクロノグラフだ。


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【2021新作時計】ルイヴィトン時計「エンデバー・センターセコンド コンセプト」

コンセプト フュメダイアルの発売5 周年を記念
 H.モーザーのコンセプト フュメダイアルは、多くのブランドロゴの裏側に、誇張されたマーケティングによって覆い隠されてしまった、才能ある時計職人やダイアルの専門家が存在していることを思い出させてくれた。ルイヴィトン時計レディース目に見えるブランドロゴがなくても、本物のラグジュアリープロダクトはひと目でわかる、ということを証明して見せたのだ。



H.モーザー「エンデバー・センターセコンド コンセプト」ファンキーブルー
自動巻き。27石。21,600振動/時。18KRGケース(直径40 mm / 厚さ10.7 mm)。パワーリザーブ約3 日間。30m防水。2,650,000円(税別)。4月発売予定。世界限定100本。※世界限定100本のWGケースは2,650,000円(税別)。※世界限定50本のSSケースは価格未定。
H.モーザーのスタイルを最も感じさせるフュメダイアル



上品なプロポーション、調和のとれたフォルム、最高品質のフィニッシュ。100% スイスメイドのキャリバーが組み合わされ、5N レッドゴールド、ホワイトゴールド、またはスチール製の3種類がリリースされる。

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「シチズン プロマスター × mont-bell 」コラボレーションモデル 第4弾

2016年10月に初めて「シチズン プロマスター」と総合アウトドアブランド「mont-bell(以下、モンベル)」とのモンベルコラボレーションモデルを発売して以来、今回で4回目となる本コラボレーションは、パーフェックスマルチ3000対応のワールドタイムエコ・ドライブ電波時計である。簡単な操作で世界26都市の時刻に設定可能なダイレクトフライト機能搭載によりアウトドア環境はもちろん、タウンユースやグローバルなビジネスシーンなどあらゆるフィールドで活躍するスペックを備えている。



「シチズン プロマスター × mont-bell 」コラボレーションモデル
光発電エコ・ドライブ(月差±5秒)。スーパーチタニウムTMケース(直径42.2mm / 厚さ10.6mm)。200m防⽔。9月発売予定。


シチズン プロマスター × mont-bell(モンベル) コラボレーションモデル(CB0177-58E)



光発電エコ・ドライブ。月差±15秒。ワールドタイム機能(26 タイムゾーン)。パーペチュアルカレンダー。サマータイム機能。スーパーチタニウムTMケース(直径42.2mm、厚さ10.6mm)デュラテクトDLC。200m防水。10万円(税別)
 ケースには、キズに強く、軽く、肌にやさしく、サビにくいスーパーチタニウムTM を採用。シチズン独自の表面硬化技術デュラテクトにより小キズなどから時計本体を守る。20気圧防水や高い視認性など本格スポーツウオッチとしての機能性と、レッドのさし色を効果的に使ったタウンユースでも活躍するデザイン性が特⻑。ケースとバンドにすりキズに強く、艶やかなブラックカラーが特⻑のデュラテクトDLC で仕上げたCB0177-58E、ケースとバンドにすりキズだけでなく打ちキズにも強いデュラテクトMRK を施したCB0171-97E とデュラテクトDLCのケースにカーフバンドを合わせたCB0177-31E、の3モデルが用意された。



光発電エコ・ドライブ。月差±15 秒。ワールドタイム機能(26タイムゾーン)。パーペチュアルカレンダー。サマータイム機能。スーパーチタニウムTMケース(直径42.2mm、厚さ10.6mm)デュラテクトMRK。200m防水。7万円(税別)
パーフェックスは「JIS 1種耐磁」「衝撃検知機能」「針自動補正機能」という三位一体の機能で、エコ・ドライブGPS衛星電波時計やエコ・ドライブ電波時計のより正確な時刻表示を可能にしたシチズン独自の先進技術だ。パーフェックスマルチ3000は、パーフェックスに加え日本・中国・アメリカ・ヨーロッパの4エリアから送信される標準電波を高感度受信。特にアメリカではコロラド州の送信所から半径約3,000km圏もの受信が可能。エコ・ドライブ電波時計の正確さをサポートする。

ジンが特別なダイアルを備えた日本限定モデル「EZM3.F.V」を発表

ジンが100本のみ製作する日本限定モデル「EZM3.F.V」を発表した。レギュラーモデルの「EZM3.F」をベースに、手作業によるスクラッチ加工を施した特別なダイアルを備えている。

異なる表情を持つ100本



ジン 「EZM3.F.V」
自動巻き(Cal.ETA2824-2)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径41mm、厚さ11.7mm)。20気圧防水。日本限定100本。33万円(税別)。2021年1月発売予定。
 ジンはこれまでに複数の日本限定モデルを発表しているが、今作はパイロットウォッチシリーズのレギュラーモデル「EZM3.F」をベースにした100本限定仕様だ。



特筆すべきは、手作業で仕上げられたヴィンテージ調のダイアル。ベースカラーを着色後、1点ずつ人の手でスクラッチ加工を施しているため、100本の時計は全て異なる表情を持っている。インデックスは夜光を備え、スクラッチ加工後にプリントされているため、視認性を損なう心配はない。



機能性についてはベースモデルである「EZM3.F」と同様に、ジンの高い技術が詰め込まれている。カウントダウン式の両方向回転ベゼルや、9時位置に配置されたリュウズなどが特徴のパイロットウォッチで、同社が誇る実用性に富んだジン・テクノロジーと呼ばれる機能が満載だ。

 まずはマグネチック・フィールド・プロテクション。DIN規格(ドイツ工業規格)で定められた耐磁時計の数値である4800A/mをはるかに上回る、8万A/mまでの磁気に耐えることが可能だ。磁力線を遮断する軟磁性素材を採用した外装パーツでムーブメントを囲むことで、この非常に高い耐磁性能を実現した。その性能を示すマークと1000mT(ミリテスラ)(=8万A/m)の刻印が裏蓋に印されている。

 次にArドライテクノロジー。これは時計内部の空気などに含まれる水分を除去することで、ムーブメントへの悪影響や気温低下時の風防の曇りを防ぐ技術だ。特殊乾燥剤が充填されたドライカプセルを採用するほか、ケース内に希ガスを充填させるという高い技術が採用されている。裏蓋とダイアル6時位置のArマークはガス封入の印だ。

 最後に特殊な潤滑オイルの採用だ。通常の機械式ムーブメントに使用されている潤滑オイルは、−25℃で粘性が高くなってしまい精度を維持できなくなる。しかし、ジンが開発したオイル「66-228」は-66℃まで適度な粘性を維持することができ、+228℃まで蒸発しないのである。急激な温度変化にも耐えることが可能で、−45℃から+80℃の範囲でDIN(ドイツ工業規格)が定める精度維持を可能にした。実際の製品でもこの温度範囲での検品を行なっているため、ジンの信頼性の高さがうかがえる。

 手作業の味も残しながらも高い実用性を誇る今作。2021年発売予定の希少モデルであるため、購入を希望される方は早めの検討をお勧めしたい。


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