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「フライングトゥールビヨン」を初めて完成させたのは、ドイツの職人だった


トゥールビヨンの利を活かす便利な時刻合わせ用機能
1920年、ドイツの時計職人、アルフレッド・ヘルヴィグによって初めて世に出たフライングトゥールビヨン。重力の影響を受けぬよう、自転する中枢部を片側だけで支持することにより、まるで宙に浮いているかのように見えるこの特殊な複雑機構を、1世紀経た今、同じドイツの時計メーカーであるグラスヒュッテ・オリジナルがさらに進化させた。

同社の「セネタ・クロノメーター・トゥールビヨン リミテッド・エディション」は、数あるフライングトゥールビヨンにこれまでなかった3つのシステム、秒停止機構、ゼロリセット、ミニッツデテントを組み込むことに初めて成功した。まず、リューズを引き出すことで垂直クラッチが作動し、トゥールビヨンケージがロックされ、同時にテンプもその位置でロック。ルイヴィトン時計レディースすなわちテンプの軸に取り付けられた秒針が停止する。さらにもう一段引き出すと、秒針が時計回りにゼロ位置まで進み、分針も次のインデックス位置まで進む。この状態で分単位の時刻合わせを行い、リューズを元の位置に押し込むことで秒針が動き出すため、より正確な時刻合わせが可能となるのである。

搭載する手巻きキャリバー58-05は、ハイレベルな精度が保証されている。なぜなら、一つひとつがグラスヒュッテにあるドイツキャリブレーションサービスにより、DIN8319規格に基づくクロノメーター認証を得ているからだ。シリコンひげゼンマイの採用で磁気と温度変化にもしっかり対応。フライングトゥールビヨンの両側に耐震装置が装備されているので耐久性も万全に。また、パワーリザーブは70時間を確保し、残量時間は9時位置のインジケーターで示される。

時刻合わせの際に、ただちにテンプの動きを止め、秒針をゼロ位置に戻して、分針を1目盛り進ませる。派手さはなくシンプルだが、非常に便利なこれらの機能を備えてこそ、トゥールビヨンという特別な機構のメリットが活かされるのだ。

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